【メタボリックシンドロームはどんな数値に気をつければいいの?】
【生活習慣病とは?】

主なものに糖尿病、高血圧、高脂血症など。
生活習慣病はその名の通り、生活習慣と深い関係があります。主な病気は糖尿病、高血圧、
高脂血症などで、それぞれ動脈硬化を促進する危険因子。動脈硬化の怖い点は、脳梗塞
や心筋梗塞など、生命にかかわる疾患を発症する可能性があることです。
最近の研究で、腹部肥満(内臓脂肪が蓄積した状態)と、糖尿病、高血圧、高脂血症などの
生活習慣病を併せ持つと動脈硬化を起こしやすいことが分かってきました。このような動脈
硬化の危険因子が複数ある状態を「メタボリックシンドローム」と呼び、動脈硬化から脳梗
塞や心筋梗塞に繋がる危険性を高めるとして、注目されています。
血糖値、血圧値など、やや高めの値に要注意!
メタボリックシンドロームは腹部肥満、高血糖、高血圧、高脂血症など、動脈硬化の危険因子
が重なり合った状態です。1つ1つは軽度でも、危険因子の数が増えるほど、動脈硬化を飛躍
的に促進してしまうことに。また、腹部肥満があると、他の危険因子を招きやすくします。
右記の診断基準の数値を見ると、血糖値や
血圧値は正常値の域を少しでも超えただけ
で、当てはまることが分かります。明らかに
高い数値ではない、やや高めの値にも注意
を払い、生活習慣の改善に努める必要が
あります。
※腹部肥満に加え、高血糖、高血圧、
高脂血症のうち2つ以上当てはまると、
メタボリックシンドロームと診断される。
| ●腹部肥満(内臓脂肪の蓄積) 腹囲が男性85p以上、女性90p以上 ●高血糖 空腹時血糖値110mg/dl以上 ●高血圧 収縮期血圧130mmHg以上、 拡張期血圧85mmHg以上の一方または両方 ●高脂血症 HDLコレステロール値40mg/dl未満 中性脂肪値150mg/dl以上の一方または両方 |
合併症を引き起こす可能性がアップ!
肥満には、内臓脂肪型と皮下脂肪型の2つのタイプがあります。
●内臓脂肪型・・・・・腹部の内臓の周りに脂肪がつく。腹部が出てきて上半身が太る傾向がある
ことからリンゴ型肥満とも呼ばれる。男性に多い。
●皮下脂肪型・・・・・下腹部やお尻、足などの皮下に脂肪がつきやすい。女性に多く、洋なし型
肥満とも呼ばれている。
生活習慣病を招きやすいのは内臓脂肪型、すなわち腹部肥満です。原因は、食べる量と運動量
のアンバランス。摂取するエネルギーより消費するエネルギーが少ないと、余った分が脂肪細胞
に蓄えられるのです。腹部肥満は男性に多く見られますが、閉経後の女性も要注意。
これは閉経とともに、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌が減少することと関係があり
ます。エストロゲンには、腹部肥満を抑制する働きがあるからです。脂肪細胞は、悪い影響と
良い影響を与える、以下のような様々な生理活性物質を分泌しています。
●レプチン・・・・・食欲を抑える働きがあるが、中性脂肪が増え過ぎると効果が弱まる。
●TNF-α・・・・・インスリンの働きを低下させ、血糖値を上げる。
●アンジオテンシノーゲン・・・・・血圧を上げる作用がある。
●PAI-1・・・・・血栓をつくる。
●アディポネクチン・・・・・動脈硬化を防ぐが、内臓脂肪の増加に伴って分泌量が減る。

BMI指数の数値で肥満度を測ってみよう
腹部肥満の状態は、日本肥満学会が定めるBMIの数値も判断の目安に。
BMIが25以上でも健康上のトラブルがなければ、心配ありませんが、
高血糖や高血圧、高脂血症、腰痛、月経異常などの健康障害がある
場合は、治療や減量が必要になります。
| 体重(kg)÷身長(m)の2乗=BMI指数 18.5未満・・・低体重 18.5以上25未満・・・普通体重 25以上30未満・・・肥満1度(軽度肥満) 30以上35未満・・・肥満2度(中程度肥満) 35以上40未満・・・肥満3度(高度肥満) 40以上・・・肥満4度(超高度肥満) |
糖尿病や耐糖能異常を引き起こします。
血糖値とは血液中のブドウ糖の量のこと。糖の血中濃度の高い状態が高血糖です。血糖値は、
すい臓から分泌されるインスリンというホルモンや他の臓器から分泌されるインスリン拮抗物質
によって一定に保たれています。しかし何らかの原因でインスリンの分泌量が少なかったり、
作用が低下すると、血液中のブドウ糖が増え過ぎることになります。それが糖尿病で、進行す
ると合併症を引き起こします。糖尿病には以下のような種類があります。
●1型糖尿病・・・・・すい臓の病気などでインスリンが分泌されないために起こる。子供に多い。
●2型糖尿病・・・・・インスリンの分泌量が少なかったり、その働きが悪いために起こる。中高年
に多い。
●遺伝子の異常や他の病気が原因となるもの・・・・・遺伝子の異常や肝臓やすい臓の病気、
内分泌疾患などが原因で起こる。
●妊娠糖尿病・・・・・妊娠中にホルモンバランスが崩れて起こる。
この中で、糖尿病の95%を占めるのが、生活習慣や遺伝が原因となって起こる2型糖尿病です。
また糖尿病に至る手前の状態を耐糖能異常といいます。
糖尿病や耐糖能異常は、腹部肥満とも深いかかわりがあります。
| 糖尿病型 |
| 境界型 |
| 正常型 |
<糖尿病の判定基準>
(mg/dl)
126
110
200
140
空
腹
時
血
糖
値
ブドウ糖負荷後2時間値
糖尿病は、空腹時の血糖値とブドウ糖液を飲んだ
2時間後の血糖値から判定。境界型に当たる部分
が耐糖能異常。空腹時血糖値が110mg/dl以上
あるとメタボリックシンドロームの要素となる。
インスリン抵抗性の影響
インスリン抵抗性とは、インスリンが効き
にくくなること。ブドウ糖を細胞に送り込ん
で、エネルギー源として蓄えたり血糖値
を下げるといった作用が低下している状態
で、腹部肥満があると生じやすくなります。
インスリン抵抗性が起こると、血液中の
ブドウ糖が増えて高血糖や糖尿病を引き
起こしたり、高血圧や高脂血症へも影響
を及ぼします。
<血圧と内臓脂肪の関係>
末梢血管の抵抗が
高まる
血液中の水分が増えて
血液量が増加
| 血 圧 の 上 昇 |
| 交感神経を 刺激 |
| 血液中の ナトリウム(塩分)濃度が高まる |
| インスリン 抵抗性が 起こる |
| 生理活性 物質の分泌 |
| 内臓脂肪 の蓄積 |
至適血圧とは、心臓病や脳梗塞に最もなりにくい血圧値のこと。
収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上が高血圧
収 縮 期 血 圧
(mmHg)
140
130
120
拡
張
期
血
圧
<血圧の分類>
(mmHg)
90
85
80
| 至適血圧 |
| 正常値 |
| 正常高値血圧 |
| 高血圧 |
血液量の増加や末梢血管の抵抗で上昇
血液が血管を通るときに血管壁にかかる圧力を血圧といいます。
血圧は、心臓の収縮によって送り出される血液量(心拍出量)と、その血液を受け止める末梢
血管の抵抗によって決まります。血液の量が増えたり、末梢血管の抵抗が大きくなると、血圧
が上昇するのです。高血圧には、遺伝や生活習慣がかかわっている一次性高血圧症(本態性
高血圧症)と腎臓疾患などが原因の二次性高血圧症(症候性高血圧症)がありますが、9割を
占めるのが一次性高血圧症。自覚症状がほとんどなく、放っておくと動脈硬化が進み、心筋
梗塞など、重篤な病気を引き起こします。高血圧の原因の1つに腹部肥満があります。
内臓脂肪が血圧を上げるプロセスは以下の通り。
●生理活性物質の分泌・・・・・アンジオテンシノーゲンなどの物質を分泌して血圧が上がる。
●インスリン抵抗性が起こる・・・・・腎臓でナトリウム(塩分)の再吸収が行われ、血液中の
塩分濃度が高まることによって血圧が上がる。また交感神経が刺激され、末梢血管の抵抗が
高まることも血圧を上げる原因に。
どちらも脂質の1つ。別々の働きがあります。
血液中には、常にある程度の脂質が含まれているものですが、この脂質の量が異常に増えた
状態が高脂血症です。コレステロールや中性脂肪はどちらも脂質ですが、役割が違います。
●コレステロール・・・・・細胞膜の構成成分の1つ。また、ホルモンの原料。生命を維持する
ために欠かせない成分。消化吸収を助ける胆汁の原料でもある。
●中性脂肪・・・・・脂肪細胞に蓄えられ、必要に応じてエネルギー源として使われるが、量が
多すぎると、肥満の原因になる。
高脂血症の診断の際には、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性
脂肪の値が使われます。悪玉コレステロールのLDLは単独でも動脈硬化を促進することが
分かっていますが、腹部肥満との関係が指摘されているのは、HDLと中性脂肪。腹部肥満が
原因で、インスリン抵抗性が起こると、中性脂肪が増加し、善玉コレステロールのHDLが減少し、
細胞に蓄積したコレステロールを回収できなくなります。また、インスリン抵抗性とかかわりの
深い糖尿病の場合も、HDLを減らすことが分かっています。
| 高コレステロール血症 | 総コレステロール値 220mg/dl以上 |
| 高LDLコレステロール血症 | LDLコレステロール値 140mg/dl以上 |
| 低HDLコレステロール血症 | HDLコレステロール値 40mg/dl未満 |
| 高中性脂肪血症 | 中性脂肪値 150mg/dl以上 |
<高脂血症の診断基準>
※高脂血症は大きく分けて、血液中の総コレステロール
が多いタイプ、LDLコレステロールの多いタイプ、HDL
コレステロールの少ないタイプ、中性脂肪の多いタイプ
の4つ。血液検査で1つでも基準値を超えると高脂血症
と診断される。また、HDLコレステロール値もしくは中性
脂肪値のどちらかが基準値を超えるとメタボリックシンド
ロームの診断基準に該当する。
肥満を解消するために生活の改善を。
高血糖や高血圧、高脂血症などの生活習慣病が腹部肥満と密接に関連していることを述べ
てきました。生活習慣病の予防のためには、食事や運動を中心に生活改善を行う必要があり
ます。まずは、肥満を解消すること。栄養バランスよく、食べ過ぎに注意しましょう。また、内臓
脂肪は皮下脂肪に比べて減りやすいといった特徴があります。内臓脂肪を減らすには、運動
が効果的。その他気をつけたい事項は以下の通りです。
●肥満を防ぐ(外食、間食、夜食を控える・朝食をきちんと摂る・腹八分目・塩分、糖分、油分
の摂り過ぎに注意)
●運動不足を解消する(運動は生活習慣病予防や改善に効果がある。ウォーキングなど無理
なく続けられる運動を)
●睡眠をしっかりとる(心と体の休養のために、睡眠は不可欠。個人差がありますが6〜7
時間を目安に)
●ストレスをためない(過剰なストレスは高血圧や心筋梗塞などの誘因となる。趣味や睡眠
などで軽減するように)
●禁煙する(喫煙は高血圧の原因。また善玉コレステロールを減らして動脈硬化を進める。
がんの原因にも)
●過度の飲酒に気をつける(飲み過ぎは肝臓や高血圧などへの影響も。ビールなら1日
中ビン1本、日本酒なら1日1合程度)
●トクホの製品を上手に使う(なかなかすぐに生活改善が難しい人などは特定保健用食品
(トクホ)などを補助的に使うのも可)
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厚生労働省のHPによると
40〜74歳における
メタボリックシンドローム
(内臓脂肪症候群)
有病者数は約940万人、
予備群者数は約1,020万人、
併せて約1,960万人。
各年代のメタボリックシンド
ローム(内臓脂肪症候群)が
強く疑われる者と予備群と
考えられる者について、
平成16年10月1日現在
推計の男女別、
年齢階級別の40-74歳人口
(全体約5,700万人中)を用い
有病者、予備群として
推計したところ、40〜74歳に
おけるメタボリックシンドロー
ムの有病者数は約940万人、
予備群者数は約1,020万人、
併せて約1,960万人と
推定される。
<メタボリックシンドロームの日本の診断基準>
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