【女性の体と男性の体で必要な栄養素って違うの?】
【どうして女性はカルシウムや鉄が不足しがちなの?】
【女性に足りない栄養素って?】
【栄養が摂れているってどういうこと?】

必要な栄養が過不足なく摂れていること。
ひとくちで言うと食物を摂取して、私たちが発育、変化していく上で、必要な栄養素が不足したり、
摂り過ぎることなく、適正に摂れていることです。
私たちが食事で摂る栄養素は、「3大栄養素」である炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質(脂肪)
と、ビタミンミネラルの5つに分かれます。必要な栄養素の量は、年齢や性別、毎日の生活の
内容によって違ってきますし、女性の場合、例えば妊娠中や授乳期には普段よりも多い量の
栄養が必要になります。また、最近ではむしろ栄養素の過剰摂取も問題になっています。
その人にとって適切な栄養が摂れることは健康的な日常を送る上で欠かせないのです。
ほとんどの年代で、カルシウムや鉄が不足。
厚生労働省の平成15年度の国民栄養調査によると、ほとんどの栄養素が足りているのに、
男女ともカルシウムと鉄の摂取量が所要量に足りていません。ただ、男女で比べると、摂取量
と所要量の開きは女性のほうが大きく、ほとんどの年代でカルシウムと鉄が不足しています。
鉄の場合はすべての年代で、カルシウムはとくに15〜60歳くらいの年代に不足が目立ちます。
*カルシウムや鉄が不足するとこんなトラブルが・・・
カルシウムは骨や歯を丈夫にするのに欠かせない役割を果たします。カルシウムが不足すると、
骨がスカスカになる骨粗しょう症の原因となります。骨粗しょう症になると、ささいなことで骨折
しやすくなります。大腿骨を骨折すると、寝たきりになることもあります。
鉄分の不足は鉄欠乏性貧血の原因となります。鉄欠乏性貧血になると、疲れやすくなったり、
めまいや立ちくらみ、息切れなどを起こします。
月経による出血や過度なダイエット。
カルシウムについては、男女ともに言えることですが、日本の水はカルシウムを含まない軟水で
あること、そのため農作物などに含まれるカルシウムも少ないことなどが、海外に比べて日本人
のカルシウム摂取量が少ない原因になっています。
そのほか、乳製品を多く摂る習慣がないこと、また、最近では小魚や魚を骨まで食べるといった
習慣がなくなったことなども原因と考えられます。また、女性の場合は、閉経期になるとカルシ
ウムを骨にとどめる役割をしていた女性ホルモン(エストロゲン)が減少するため、男性よりもさら
にカルシウムが必要になります。鉄分については、女性は毎月起こる月経による出血で、より
多くの鉄分を必要としています。そのため、男性よりも不足してしまいがちです。それに加えて、
適切でないダイエットや外食、インスタント食品、加工食品などの摂取による偏った食生活が
カルシウムや鉄など必要な栄養素が摂れない原因となっています。規則正しい食事やバラン
スの取れた食生活を心掛ける習慣が大切です。
体格や女性の生理、ホルモンの影響が関係。
男性より体格が小さいので、女性は全体的なエネルギー量や、栄養素の所要量は男性より少な
くなります。しかし、一方で女性は月経によって毎月鉄分が体外へ排出されるため、さらに鉄分
が不足しがちです。また、女性はもともと骨密度が男性より少ない上、更年期には女性ホルモン
の減少で骨粗しょう症に陥りやすいため、若いうちから十分なカルシウムを摂る必要があります。
なお、葉酸が不足している女性が妊娠すると胎児の神経系の異常が起こりやすいため、とくに
若い女性は葉酸も積極的に摂りたいものです。
*女性ホルモンの役割
女性ホルモンのエストロゲンは、骨のカルシウムの量を調節する働きがあります。更年期になり
、エストロゲンの分泌量が減ってくると、カルシウムが骨から溶け出して骨密度が低下し、骨粗
しょう症を発症しやすくなります。エストロゲンはそのはかコレステロール値を下げたり、コラー
ゲンをつくる細胞を活性化します。
安定した食習慣を身につけることが前提。
思春期の女子の場合、非常に心身ともに不安定です。小児期までは単純な成長を遂げてきた
のが、思春期になると脳からの指令によって、女性ホルモンが分泌されるようになり、初経が
始まったり、体つきも胸がふくらむなど、女性らしくなってきます。そのような体の変化へのとま
どいなどもあり、精神状態の起伏が激しくなります。それに伴い、友人関係や恋愛、勉強、親子
関係などさまざまなストレス、また美意識の目覚めなどから、極端に偏った食習慣に陥って
いる場合が少なくありません。例えば、過食や拒食といった摂食障害に陥ってしまったり、
お菓子だけしか食べない、1日1〜2食の食事といったケースです。そのため、栄養が偏ったり、
カロリーが極端に少ない、あるいは多くなることもあります。
この時期に身に付いた食習慣は一生続きます。まずきちんとした食習慣を身に付けて、バラ
ンスの取れた食事をすることが大切です。体の基礎づくりが必要なこの時期には、3大栄養素
であるたんぱく質や炭水化物、脂質をしっかり摂ること。その上で、骨や歯を丈夫にするため
のカルシウム、貧血を防ぐための鉄分、たんぱく質の代謝に欠かせないビタミンB6や貧血を
防ぐB12などのビタミンB群、将来丈夫な子供を産むための葉酸などをしっかり摂りましょう。
*ダイエットは基礎代謝を整えることが大切
若い女性の中には、食事をほとんど摂らないなど、極端なダイエットをする人がいますが、
体重を落とすためには、まず基礎代謝を高めることが欠かせません。
基礎代謝とは、生きていくために最低限必要なエネルギーのことで、横になっているだけでも
消費されるものです。極端な食事制限は、基礎代謝を逆に低下させてしまい、余ったカロリー
を脂肪として溜め込みやすくなります。基礎代謝上げるためには、バランスのよい食事を摂る
こと、運動によって筋肉量を増やすことが必要です。
3大栄養素(たんぱく質・肉、魚)(炭水化物・ご飯、麺、パン)(脂質・油分)
カルシウム(牛乳・チーズ・小魚) 鉄(うなぎ・レバー・ほうれん草) ビタミンB群(豚肉・レバー類・卵)
葉酸(ブロッコリー・モロヘイヤ・焼きのり)
忙しくても毎日バランスのよい食事を。
成人期は女性ホルモンの分泌も盛んになり、心身ともに安定する時期です。しかし、最近では
長時間仕事をこなす女性も増え、日常生活のリズムも乱れがちです。ストレスのために、月経
前症候群や月経困難症を訴える女性も増えています。また、妊娠や育児などのために、睡眠
不足や心身の疲れを感じる時期でもあります。忙しくても出来るだけ規則的な食事を心掛けた
上で、疲れに良いとされるビタミンB1や月経トラブルの解消に良いB6などのビタミンB群、抗酸
化作用があり、肌の調子を整えるビタミンC、血管を丈夫に保つビタミンEなどを積極的に摂りま
しょう。将来、骨粗しょう症になるのを防ぐためには、若いうちからカルシウムの摂取も欠かせま
せん。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けます。妊娠を希望している場合は、胎児の神経系の
障害を防ぐ葉酸を食事以外に1日400ug摂りましょう。
ビタミンB群(卵・レバー類・豚肉) ビタミンE(アボカド・かぼちゃ・アーモンド) ビタミンC(オレンジ・
パパイヤ・ピーマン) 葉酸(モロヘイヤ・ブロッコリー・焼きのり) カルシウム(牛乳・チーズ・小魚)
ビタミンD(鮭・メカジキ・舞茸)
妊娠前からの健康管理も大切に。
妊娠時の健康管理が大切なことはもちろんですが、妊娠を希望する場合、出来るだけ妊娠前
から体調や食生活などを整え、栄養素の過不足がない食事を心掛けて過ごし、妊娠に備えたい
ものです。中でも、葉酸は不足すると、胎児の脳や神経の奇形を引き起こすため、妊娠前から
不足しないように注意しましょう。カルシウムは胎児の骨形成のため、また授乳中も不足しがち
になりますから、普段よりも多めに摂らなければなりません。妊娠中は血液量が多くなるため、
貧血に陥りやすくなります。鉄分もいつもより意識して多めに摂りましょう。また妊娠中はホルモ
ンのバランスの関係で消化管の運動機能が低下し、便秘をしやすくなりますから、食物繊維の
多い食事を心掛けることも必要です。その他、つわりを軽くしたり、妊娠中毒症に効果があると
されるビタミンB6や、貧血予防になるビタミンB12などを積極的に摂りましょう。
葉酸(ブロッコリー・モロヘイヤ・焼きのり) 鉄(うなぎ・レバー・ほうれん草) カルシウム(牛乳・
チーズ・小魚) ビタミンB12(イクラ・シジミ・鮎) ビタミンB6(マグロ・小麦胚芽・バナナ) 食物
繊維(ごぼう・大豆・さつまいも)
女性ホルモンの減少による症状や影響を緩和。
更年期というのは、45〜55歳ころまでですが、その少し前、40歳前後から女性ホルモンである
エストロゲンの分泌は減り始め、影響が出てきます。脳からは、女性ホルモンを分泌するように
働きかけますが、卵巣の機能が衰えているために、脳の指令に従うことが出来ず、そのアンバラ
ンスによって心身に不調が起こりやすくなるのです。エストロゲンが減少することで、骨密度が
減りますから、骨粗しょう症予防のためにカルシウムやその吸収を良くするビタミンD、ビタミンK
などを積極的に摂りましょう。大豆に多く含まれるイソフラボンは、エストロゲンの調整をします
から、日常的に摂るようにしましょう。がんなどの病気も心配な年齢です。女性に多い便秘は
大腸がんの原因になります。食物繊維の多い食事を摂って解消したいものです。その他、視力
を向上させるアントシアニンなども摂りたい栄養素の1つです。
カルシウム(牛乳・チーズ・小魚) ビタミンK(かぶ・春菊・納豆) ビタミンD(鮭・メカジキ・舞茸)
アントシアニン(赤じそ・ブルーベリー・茄子) 食物繊維(ごぼう・大豆・さつまいも) イソフラボン
(大豆・豆腐きなこ)
抗酸化作用のある栄養素をたくさん摂取。
更年期障害は落ち着くものの、年齢的に動脈硬化や脳卒中、心臓病、がんなどの生活習慣病に
かかりやすくなります。とくに、女性の場合コレステロール値を下げる働きのある女性ホルモンの
エストロゲン分泌がほとんどなくなるので、十分注意しなければなりません。
生活習慣病の発症には、活性酸素(体内の酸素が変化したもの)がかかわっていると言われて
います。そのため、活性酸素の発生を抑える抗酸化作用のある栄養素を摂るよう心掛けてください
ビタミンCやE、コエンザイムQ10などがそれにあたります。とくにビタミンEは血管の弾力を高めた
り、アルツハイマーの予防にも効果があるとされています。コエンザイムQ10は肌の老化や免疫力
の低下、疲れなどに効果的と言われています。また、大腸がん予防のために食物繊維を、骨粗
しょう症予防のためにカルシウムは十分に摂りましょう。関節に良いコンドロイチンなども有効です。
ビタミンC(ピーマン・オレンジ・パパイヤ) ビタミンE(アボカド・アーモンド・かぼちゃ) CoQ10(牛肉・
イワシ・キャベツ) コンドロイチン(鶏手羽・フカひれ・アワビ) カルシウム(牛乳・チーズ・小魚)
食物繊維(ごぼう・大豆・さつまいも)
楽しく、美味しく、メリハリのある食事を。
高齢期は、個人差も大きいのですが、筋力や噛む力なども衰えてきます。生活習慣病など、
さまざまな病気にもかかりやすくなりますが、消極的にならずに出来る限り体を動かしたり、
外出をするようにして、いつまでも元気に長生きしたいものです。
食事については飲んでいる薬の影響や、体をあまり動かさないために食欲がなくなったり、
栄養が偏ったりする恐れがあります。そのために、栄養不足に陥るケースもあります。高齢
期の食事には次のような点に注意しましょう。
●食事はメリハリをつけて、美味しく食べられる工夫を。
●出来れば一人ではなく、家族や友人との楽しい食事を。
●噛むことは大切。脳の活性化にも役立つ。食物繊維など、ある程度噛みごたえのあるもの
を摂って快便を。
●普通の食事がつらくなってきた場合には、喉ごしの良い軟らかい食事で誤えんしないように。
【食物で摂れない栄養素はサプリメントで補っても?】
自分に不足しがち、あるいは必要なものを。
今、サプリメントにはビタミンやミネラルをはじめとして、アミノ酸や食物繊維など実にさまざま
な種類があります。しかし、だからといってすべての栄養がサプリメントで補えるわけではあ
りません。基本的な栄養はなるべく食事から摂ることが大切です。バランスの良い食事で、
過不足のない栄養を摂ることが理想です。しかし、そうはいっても人によって不足しがちだっ
たり、摂りにくい栄養素があるものです。また、体質や年齢、毎日の生活の中でプラスして
いったほうがよい栄養素もあります。そのような栄養素をサプリメントで補っていくとよいでしょう。
とくに、ビタミンやミネラルは3大栄養素を補う酵素(補酵素)として大切ですが、どれかが欠乏
しても、全体の機能が低下してしまいます。自分にはどんな栄養素が足りないのか、よく考
えて選択するとよいでしょう。なお、中には摂り過ぎると過剰症になるビタミンA・Dなどもあり
ますから、1日の目安量を守ることは大切です。